女性に対する暴力撤廃の国際デーに寄せた共同声明
EU News 345/2015
2015/11/24
STATEMENT/15/6149
ブリュッセル
<日本語仮訳>
フェデエリカ・モゲリーニ欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長、および欧州委員会のヴェラ・ヨウロヴァー法務・消費者・男女平等担当委員、ネヴェン・ミミツァ国際協力・開発担当委員ならびにクリストス・スティリアニデス人道援助・危機管理担当委員は、以下の共同声明を発表した。
「我々は、女性に対する暴力撤廃の国際デーを前に、婦女子に対する暴力の根絶を声を合わせ、強く求める。このような暴力は、欧州のみならず世界中の国々を害する、甚だしい人権侵害と性差別にほかならない。
我々は、あらゆる形態の婦女子に対する暴力を、強く非難する。
驚くべきことに、EUにおいて女性の3人に一人が、人生において何らかの形のジェンダー暴力を経験したとの数字がある。EU域内外を問わず、あまりにも多くの女児が結婚や女性器切除の犠牲となっている。多くの国において殺害された女性の半数以上が、緊密な関係にあったパートナー、親類、家族の手によって命を落としている。また、紛争地域において、そして人道危機が続いている間に、あらゆる形の暴力に晒されている。
今年、EUにおいて難民や庇護を申請する女性の数が増えていることに、特に注目するべきである。中には、道程において強姦されたり、殴打されたり、性的に搾取されたりした女性もいる。自国におけるジェンダー暴力から逃れてきた人もいる。このような女性たちは、ジェンダーに配慮した支援を求めて欧州に来ている。我々はそれを提供しなければならない。
あらゆる形態の婦女子に対する暴力への対策は、域内外双方において、EUの主要優先課題であることに変わりはない。11月16日に発効した犠牲者の権利に関するEU指令は、ジェンダー暴力の犠牲者に特有のニーズを認識したものである。我々は、女性に対する暴力および家庭内暴力の防止と撲滅に関する欧州評議会条約にEUが参加し、加盟国とEUの両方のレベルで、婦女子に対する暴力の根絶に効果的に取り組むために、さらなる一歩を踏み出したいと考えている。
女性や女児に対する暴力の形態に、紛争状態における性的暴力というものがある。国連安保理が、画期的な女性、平和、安全保障に関する決議1325号を採択してから、15年目を迎える今、EUと国際社会は、そのような暴力を徹底的に排除し、犯行者を法の下で裁くための努力を強化する必要がある。
女性の権限強化なくして持続可能な開発はあり得ないと、EUは考える。そのためには、全ての女性と女児に対するあらゆる形の暴力を根絶することが、不可欠だ。ジェンダー暴力、および婦女子への有害な慣行の排除に関する個別の目標を含め、女性の権利を新たな持続可能な開発目標の中核に据えるべく、EUが努力を重ねているのは、そのためである。
2016年1月より、EU理事会の承認を受けて、2016年~2020年EU対外関係のための新ジェンダー行動計画の適用が開始される。婦女子に対するあらゆる形態の暴力への対策が、その優先目標の一つとなっている。この問題に対する認識向上のために、欧州対外行動庁は、児童や女性に対する暴力に焦点を当て、特に児童婚、強制婚、女性器切除を根絶するために、外交的なアウトリーチ活動を立ち上げたところだ。
今日、ベルレモンビル(欧州委員会本部の入っているビル)は、国連事務総長の『ジェンダー暴力に反対する16日間行動』を支援し、オレンジ色にライトアップされている。
EUは、ジェンダー暴力を過去の問題にすべく、自らの努力を強化する決意である」
原文はこちらをご覧下さい(英語)。
http://europa.eu/rapid/press-release_STATEMENT-15-6149_en.htm
(C)UN, 2015 URL