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スレブレニツァ虐殺20年に寄せるモゲリーニEU上級代表の声明

EU News 191/2015

2015/07/11
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ウィーン

<日本語仮訳>

フェデリカ・モゲリーニ欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、以下の声明を発表した。

「スレブレニツァの地には、欧州近代史の最も暗いページが刻み込まれている。

大量虐殺から20年、全ての犠牲者を追悼する。時間も言葉も、わが子を安らかに眠らせることすらできない母親の痛みを癒すことはできない。しかし、今日、時間と言葉は、我々全てに欧州とは何か、どうあるべきかを、想起させる。

冷戦後、全ての人が新たな平和の時代に望みを抱いた。欧州統合を夢見たはずが、気づけば惨憺たる悪夢に直面していた。これが私の世代だ。

スレブレニツァで起きたことは、欧州として恥ずべきことだ。欧州は、二度と戦争はしない、二度と人種や国の名の下に人殺しをしない、二度と大量虐殺を繰り返さないという、欧州連合(EU)創設の父の約束、その孫たちの夢を持ちこたえることが出来なかった。

スレブレニツァは、行動を喚起している。すなわち、同じ事を繰り返さないという行動だ。スレブレニツァは、EU創設時の洞察が今も有効であり、我々の大陸に平和をもたらす唯一の道であることを、我々に示している。欧州市民を、「我々」と「彼ら」に分断することは、新たな紛争の火種を生むことになる。

キリスト教徒も、イスラム教徒も、セルビア人も、クロアチア人も、ボスニア人も、移民も地元民も、共に生活する場所が、我々のEUである。「民族的に単一な」国を目指すことは、決して平和につながらない。あらゆる社会が、引き裂かれるのではなく、まとまることが出来るようにしなければならない。

そのために、我々は西バルカン諸国と協力し、欧州統合への道を歩み続ける。28加盟国の全て、EU機関の全てが、ボスニア・ヘルツェゴビナがEUの一部になる展望を、支援する。連携と正義と和解の未来を希求し、努力する。この国の、そして欧州のこの地域の全ての市民のために。

スレブレニツァにおいて、我々欧州人は倒れた。今すべきことが一つあるとすれば、犠牲者を鎮魂する方法が一つあるとすれば、再び立ち上がることだ。今が欧州にとって最も困難な時期の一つであっても、そうすることだ。記憶を心に留めて、和解のために、友愛と連帯を基礎とするEUのため、EU域内外で発生する数多くの困難な課題に対応するに足る強さを有したEU合のために、努力することだ。私の世代が、欧州において、このような悲劇を経験する最後の世代になるように」

原文はこちらをご覧下さい(英語)。
http://eeas.europa.eu/statements-eeas/2015/150711_01_en.htm

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