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ヨーロッパ・デーに寄せるモゲリーニEU上級代表の声明

EU News 130/2015

2015/05/09

<日本語仮訳>

フェデリカ・モゲリーニ欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、ヨーロッパ・デーに寄せて以下の声明を発表した。

「1950年5月9日、ロベール・シューマンは欧州各国に対し、力を合わせ、この欧州大陸で戦争を不可能にしようと呼び掛けた。その65年後、彼の発した平和と統合のメッセージは今なお色褪せることはない。

第二次世界大戦終戦からわずか5年後に提起された、何世代にもわたる対立を乗り越えよとのシューマンの訴えは、今日の欧州連合(EU)の土台となった。この間、この連合体は6カ国から28カ国へと拡大し、世界最大の平和プロジェクトとなった。EUの創設者たちの夢は現実になったのである。

しかしながら、基本的権利、民主主義および法の支配に対する強い信念に基づく平和と繁栄は、当然のものであると考えてはならない。それは、常に進行中の作業であり、育み、守られなければならない。

戦争の影が欧州大陸に舞い戻った今、結束こそが我々最大の強みである。国際法が守られず、人間の尊厳が軽視されるとき、我々は、世界中の人々と共有する基本的価値や利益を守るため、立ち上がる責務がある。

本年は、昨年就任した新しいEU首脳の下で迎える最初のヨーロッパ・デーである。就任初日から、我々は一つのチームとして働き、統合のメッセージを欧州や世界各国に広めることに尽力してきた。

EUは、日々取り組む平和プロジェクトである。国の大小や加盟時期に関係なく、全ての加盟国は話し合いのテーブルに席が用意され、同等に扱われる。多様性の中から統合を紡ぐことは面倒なこともあるが、たゆまぬ協力と辛抱強い交渉により導かれる合意は岩盤のように強固なものとなる。今日、我々は同様の作業を国際社会で達成しなければならない。その目的に向けEUは、アフリカ、アラブ世界、米州、アジアといった世界中のパートナーと協力するために欧州対外行動庁を創設した。

戦争を終結させることは、対立点を克服し、旧敵を団結させることである。若い世代に自らの将来に対する希望を与えることでもある。だからこそEUは、過激主義や組織犯罪に対する闘いや気候変動の負の影響への対処や将来のエネルギー源の確保に向け、力を合わせているのである。

EUは、世界中の人々が、きれいな水を飲み、きれいな空気を吸い、欧州の質の高い生活や高品質の品物を享受することができるよう世界基準の向上を図っている。また、世界中のパートナーと協力し、貧困や紛争の中に生まれた子どもであっても機会が生まれるよう、教育やイノベーションに投資している。

EUは将来に向けたプロジェクトでもある。それゆえ、本日は過去を思い起こすだけでなく、未来を見据えるためにもヨーロッパ・デーを祝う。誰であろうと、どこに暮らそうと、自らの人生を切り拓き、夢の実現に向け努力することができる世界の構築に向けて全ての人々が我々と力を合わせることを願う」

原文はこちらをご覧下さい(英語)。
http://eeas.europa.eu/statements-eeas/2015/150509_01_en.htm

File Photo: Federica Mogherini. Date: 06/05/2015 Reference: P-028152/00-52 Location: Beijing (C)EU, 2015 URL