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「ホライズン2020」の公募開始――最初の2年で15億ユーロを助成

EU News 513/2013

2013/12/11

欧州連合(EU)は、800億ユーロ規模の研究イノベーション計画「ホライズン2020」の下、研究プロジェクトの公募を本日初めて公開した。初年からの2年間で15億ユーロを超える資金を助成するこの計画は、欧州の知識主導型経済の強化を後押しし、人々の生活に変化をもたらすような課題に取り組むことを意図している。同計画は世界に門戸が開かれており、日本から参加する場合は、資金を用意することが条件となる。規模のより大きな多国間研究協力ネットワークに参加する利点は多く、日本の研究者や企業の参加を呼びかけたい。2014年、2015年においては、個別化医療、デジタルセキュリティやスマートシティなど12分野に焦点を当てる。


欧州委員会のモイラ・ゲーガン=クイン研究・イノベーション・科学担当委員は以下の通り述べた。


「本格的に活動を始動する時期がきた。ホライズン2020の資金助成は、欧州における研究とイノベーションの未来に不可欠であり、成長、雇用、そして生活の質の向上に貢献する。我々は、ホライズン2020が成果を出せるように考案した。より多くの参加を募るため、面倒くさい事務手続きを省いた。研究者、教育機関、大中小企業、その他多くに参加を呼びかけたい」


欧州委員会が2年間にわたる資金助成の優先内容を公開するのは今回が初めてであり、研究者や企業にEUの研究政策の方向性をこれほど明確にしたことは今までなかった。2014年の予算による公募の大多数は本日から申請を受け付けており、年間を通して追加公募される。2014年の予算は約78億ユーロで、以下に記載するホライズン2020の三本柱を中心に助成される。


• 優れた科学(Excellent Science):予算は約30億ユーロ。優れた研究者を対象とした欧州研究会議(ERC)の助成17億ユーロと、若手研究者向けのマリー・スクウォドフスカ・キュリー・フェローシップの助成8億ユーロを含む。
• 産業リーダーシップ(Industrial Leadership):予算は約18億ユーロ。情報通信技術、ナノテクノロジー、高度製造技術、ロボット工学、バイオテクノロジー、宇宙などの分野において欧州の産業リーダーシップを支援する。
• 社会的課題(Societal Challenges):予算は約28億ユーロ。ホライズン2020で掲げる、大まかに分けた7つの社会的課題――健康/農業・海洋・バイオエコノミー/エネルギー/運輸/気候行動・環境・資源効率・原材料/リフレクティブな社会/安全――に取り組む革新的なプロジェクトを支援する。


背景
ホライズン2020とは、7年にわたる総額800億ユーロ近くの資金助成制度で、EUのこれまでの研究・技術開発枠組み計画の中で最大規模を誇る。2014年のEU研究予算は、助成資金と行政支出を含めて約93億ユーロ、2015年には約99億円に上る。2015年の最終的な助成額は、2015年次予算によって決まる。

ホライズン2020の資金助成については、EUの研究助成に関するポータルサイトに詳細が記載されており、簡単にかつペーパーレスで申請できるよう一新された。その他、計画と助成の仕組みの簡素化、単一ルールの導入、財務管理、監査の負担軽減が図られた。


2014年、2015年の公募には、革新的な中小企業を支援する新たな制度も含まれており、2年で約5億ユーロの予算が計上されている。ジェンダーに関連した課題も多くのプロジェクトに含まれることが予想されるほか、社会における科学の役割について議論をさらに活性化させる助成も含まれている。また、ホライズン2020に参加する新たな条件のひとつとして、プロジェクト成果に関する出版物に制限なくアクセスできるよう定めた「オープンアクセス」が追加された。


ホライズン2020は、世界で最もオープンな研究助成計画である。日本の研究者や企業は、ホライズン2020の下で研究コンソーシアムに参加することができる。ただし、多国間の研究プログラムに参加する場合には、各自の資金を用意・持参することが必要である。共同の「コンソーシアム協定」により、プロジェクト内における研究パートナー間の取り引きは保護され、知的財産(IPR)の分配やプロジェクト成果へのアクセスは規制される。


これまでの研究・技術開発枠組み計画の下で実施された日欧共同公募では、サイバーセキュリティ、太陽電池、航空、希土類金属(レアアース)などの分野で、共同出資によるプロジェクトが誕生している。

詳細は下記リンクまで
http://ec.europa.eu/research/horizon2020/

問い合わせ先:
小関真理 Tel: 03-5422-6034 Mari.Koseki@eeas.europa.eu
末常美和子 Tel: 03-5422-6035 / Miwako.Suetsune@eeas.europa.eu
デジタルメディア担当 ビセンテ・J・ルナ
Tel: 03-5422-6038 / Vicente.Luna-Ganuza@eeas.europa.eu

Máire Geoghegan-Quinn, Member of the EC in charge of Research, Innovation and Science, Date: 11/12/2013 Reference: P-024680/00-01 Location: Brussels - EC/Berlaymont (C)EU, 2013 URL