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世界難民の日に寄せて

EU News 298/2013

2013/06/20
IP/13/583
ブリュッセル

<日本語仮訳>

キャサリン・アシュトン欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長、セシリア・マルムストロム欧州委員会委員(内務担当)、アンドリス・ピエバルグス同委員(開発担当)およびクリスタリナ・ゲオルギエヴァ同委員(国際協力・人道援助・危機対応担当)は、世界難民の日に寄せて以下の共同声明を発表した。

「本日は世界難民の日である。世界各地で避難を余儀なくされている人々の数がかつてない水準にまで劇的に増加している中、この国際社会が抱える難事について考える日である。避難をしている人々の数を数えることは可能である(国連難民弁務官によるとその数は4,600万を超えている)。だが、戦争あるいは災害から逃れることに伴う、人々の苦脳、引き離された家族、子ども時代や日々の生活の破壊による辛苦は計り知れないものである。

欧州には、そのすぐそばで勃発した戦争により600万以上のシリア人が避難を強いられ、そのうち160万人が難民となっている現在、難民および避難民について考えなければならない特別な理由がある。政治的な努力と合わせて、EUは人道およびその他の支援を、紛争の影響を被っているシリア国民に対し、すなわち国内にとどまっている人々および国を逃れた人々の双方に対して、提供している。レバノン、ヨルダン、トルコなど受け入れ国側の社会にも負担が重くのしかっていることも認識しており、そのような国々による難民対応を助ける道を模索しているところだ。今日まで、8億4,000万ユーロの支援を加盟国と欧州委員会が公約している。先日は、対シリア支援のために4億ユーロの追加パッケージを展開する計画をEUが発表したところだ。

欧州が難民救済への確固たる取り組みを継続していることは、本日EUが共通欧州庇護制度を採択したことにも表れている。これは、保護申請者へのより適切かつ人道的な対応を確保するために何年もの間、努力を続けてきた成果である。

これにより、保護を求める人々による庇護手続きへのアクセスが改善される。また、より公正で迅速で質の高い庇護決定につながるとともに、迫害を受ける恐れのある人々が、危険な状況に戻されるようなことがなくなるとともに、EUに避難場所を求める人々に、当然あるべき適切な条件が担保されることになる。

これまでは、EU域内には庇護適用の帰結において甚だしい差異が生じていたが、この共通制度の導入により、それが改善される。庇護申請者に提供される物質的条件の改善につながるとともに、申請者の同意により共通の手続き上の権利が与えられる。このような措置により、欧州の庇護制度の信頼性と効力が格段に改善することになる。

この新たな法律は、最も脆弱な人々、特に未成年者、拷問や暴力の犠牲者などの保証を導入することになる。加盟国は庇護申請者の拘留を避けるための措置をとるべきであるとの新たな認識が明示されている。

そして、庇護申請が認められ、よって国際的な保護が付与された人々に関しては、新法において、そのような身分に付帯する権利、特に居住権、雇用や医療へのアクセスなどが調和されている。

今後は、このような変更をEU全域において実行し、共通水準の適用を担保することが必要となる。

EUは価値に立脚している。その中で最も貴重であるものは、幸運に恵まれなかった人々、生存するために、尊厳のある生き方を続けるために支援を必要としている人々に対して、結束を示すことだ。EUが国際社会を主導して、世界中の避難民を助け、迫害や紛争から逃れてくる人々を受けて入れているのは、まさにそれが故である。保護をうける権利のある庇護申請者には、人間らしい生活をする展望と、我々の社会に貢献する機会が提供されるべきである。合意されたばかりの欧州共通庇護政策により、我々の大志が実現することを確信している」

原文はこちらをご覧下さい(英語)。
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-13-583_en.htm?locale=en