EU、文化を自身の国際関係の中核に据える新戦略を発表
EU News 205/2016
2016/06/08
ブリュッセル
<日本語仮抄訳>
欧州委員会と欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は本日、「国際文化関係のための戦略」を採択した。同戦略は、EUに世界でより強力な役割を果たさせるという欧州委員会の優先政策に沿うものである。文化は、国際関係の強化に極めて重要な役割を果たしうる。
今回の戦略は、EUとそのパートナー諸国間の文化協力を促し、平和、法の支配、表現の自由、相互理解および基本的価値の尊重に基づく世界秩序の推進を目指している。
フェデリカ・モゲリーニEU上級代表兼欧州委員会副委員長は、「文化は我々の外交政策の本質的部分でなければならない。文化は人々、特に若者の間の懸け橋となり、相互理解を強固にするための強力な手段である。文化はまた、経済的・社会的発展の原動力になりうる。我々が共通の課題に直面する中、文化は欧州、アフリカ、中東、アジアにいる全ての人々が、過激化と闘い、我々を分断しようとする者に対抗する文明の協力体制を構築する助けとなりうる。だからこそ、文化外交をEUの今日の世界との関係の中核に据えなければならない」と述べた。
文化はEUの外交政策において重要な役割を果たすことができる。文化協力は、対話、柔軟な態度、尊厳および相互尊敬を育むことで、固定観念や偏見に対抗する。文化間対話は紛争を防止し、国内や国家間の和解を生み出しうる。文化は難民の社会への統合、暴力的過激主義への対抗および世界の文化遺産の保護といった地球的規模の課題への対応の一助となりうる。文化はまた、EU域内外で重要な社会的・経済的利益をもたらす手段となりうる。
本日のコミュニケーション(政策文書)は、より深くより効果的な国際文化関係に向けた戦略的枠組みのほか、機会の増加、相乗効果の創出および社会経済的利益の最大化を可能にするような、EU加盟国、その文化機関およびEUとそのパートナー国の官民業者との協力のための新たなモデルを提案している。
原文はこちらをご覧下さい(英語)。
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-16-2074_en.htm
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