トルコ首相との協議を受けたEU首脳の声明
EU News 80/2016
2016/03/08
ブリュッセル
＜日本語仮抄訳＞
トルコのアフメト・ダーヴトオール首相との会談を終え、欧州連合（EU）加盟各国の首脳らは、移民・難民情勢、特に西バルカン・ルートについて協議した。首脳らはEU・トルコ関係およびEU・トルコ共同行動計画の実施進捗状況について、ダーヴトオール首相との討議を歓迎した。トルコは、自国からギリシャに渡る国際的な保護を必要としない全ての移民の早急な送還受け入れと、トルコ領海で拘束された全ての非正規移民の引き取りとに関するギリシャ・トルコ二国間の再入国合意の実施へのコミットメントを確認した。
EU首脳は、密航ルートを閉鎖し、密航業者のビジネスモデルを破壊し、EU対外国境を守り、欧州における移民・難民危機に終止符を打つためには大胆な行動が必要であることに合意した。我々は、船に乗り込むことと、欧州に定住することの間のつながりを断ち切必要がある。
だからこそ、首脳らは、北大西洋条約機構（NATO）が本日からエーゲ海で開始した活動の重要性を強調した。首脳らは、全てのNATO加盟国に対し、同活動を積極的に支援するよう要請した。また、トルコが本日、移民・難民問題への対応として提示した新たな提案を大いに歓迎した。これらの提案に含まれる下記の原則を土台として作業を進めることに合意した。
- トルコからギリシャ諸島に渡る全ての新たな非正規移民を送還し、その費用はEUが担う
- トルコがギリシャ諸島からの送還を受け入れるシリア人1人に対し、既存の合意の枠組み内で、トルコからEU加盟国にシリア人1人を定住させる
- 全てのEU加盟国とビザ自由化工程表の実施を加速化させ、遅くとも2016年6月末までにトルコ市民へのビザ要件を撤廃することを目指す
- 当初拠出が予定された30億ユーロの支払いを速め、3月末までに第一弾のプロジェクト群への資金が確実に支給されるようにし、「シリア人のための難民基金」のための追加資金について決定する
- 2015年10月の欧州理事会の結論を基礎として、トルコのEU加盟交渉において新たな分野での交渉を早急に開始するための決定に向けた準備を行う
- シリア国内において、同国民や避難民がより安全な地域で暮らせるよう、人道的状況を改善させるためのあらゆる共同取り組みにおいてトルコと連携する
欧州理事会議長は、これらの提案を進め、3月の欧州理事会会合までにトルコ側と詳細を詰める。この作業は、EU法および国際法を順守する。
EU首脳らはまた、ダーヴトオール首相と、トルコでメディアが置かれている状況についても協議した。
原文はこちらをご覧下さい（英語）。
http://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2016/03/07-eu-turkey-meeting-statement/
Jean-Claude Juncker, Donald Tusk, Ahmet Davutoglu Date: 07/03/2016 Reference: P-031155/00-23 © European Union, 2016 URL
