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EU、気候変動対策に関するパリ合意の実施に向け動き出す

EU News 69/2016

2016/03/02
ブリュッセル

<日本語仮抄訳>

欧州委員会は本日、2015年12月にパリで採択された新しい国際的気候合意の欧州連合(EU)への影響評価を発表した。

この影響評価では、一連の手続きにおける次の動きと、パリ合意がどのようにEUで実施されるかについて調べた。併せて、EUのパリ合意調印に関する提案も提示された。

影響評価の主な結論は以下である。

- パリ合意: パリ合意は、全世界の温室効果ガス排出のほぼ全てを対象とした、初めての気候変動に関する国際的な合意である。世界にとって成功であり、低炭素経済に向かおうとするEUの道筋を確認するものである。EUの交渉戦略は、合意を得るための決定的な役割を担った。

- 調印と批准: パリ合意の早期批准・発効は、同合意が速やかに機能するという法的確実性を与えよう。従って、パリ合意はできるだけ早急に調印・批准されるべきだ。本日の影響評価は、EUを代表してパリ合意に調印するためのEU理事会決定案と共に提示された。

- 定期的な見直し: EUは、気候変動を2度未満に抑え、1.5度未満に向けた努力を追求するという目標の達成を確実にするためにパリ合意に盛り込まれた、見直し手続きに参加する用意がなければならない。1.5度という目標の影響を理解するために、また国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書ではこの点について結論に達しなかったため、IPCCは特別報告書を2018年に用意するよう求められた。EUは、このために国際的に進められている科学的な作業に情報を提供する。さらに、全ての国は2020年までに21世紀半ばの長期的脱炭素化戦略を提示しなければならない。EUとしての戦略の準備の円滑化のため、欧州委員会は、欧州議会、EU理事会およびステークホルダーとの政治的議論の一助となるべく、経済的・社会的変革に関する詳細な分析を用意する。

- 2030年の気候・エネルギー法制: 2014年10月に欧州理事会は、2030年に向けたEUの気候・エネルギー政策の枠組みについて合意し、EUで40%以上の温室効果ガス排出削減を達成するという野心的な目標を設定した。パリ合意は、このEUの手法が正しいことを示した。欧州理事会が合意した2030年の気候・エネルギー枠組みを実行に移すことが、パリ合意を受けた最優先課題である。これから提示される関連法案は、欧州議会とEU理事会において優先的に討議されなければならない。

- エネルギーの移行: EUは、ジャン=クロード・ユンカー率いる欧州委員会の10の優先政策の一つであるエネルギー同盟戦略下の多くの相互関連性のある政策や措置を通じて、低炭素経済への移行を可能にする環境をさらに整える必要がある。

- 国際的な外交と地球規模の行動: EUは、政治的な勢いを維持し、他国がパリ合意や各々の気候対策の実施を支援するため、国際的な気候外交を強化する必要がある。この点において、EUは引き続き、国際的な資金支援の動員を拡充する決意である。

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原文はこちらをご覧下さい(英語)。
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-16-502_en.htm?locale=en