This site has been archived on 28 of April 2017
28/04/2017
ホームニュース・出版物ニュース2015> EU、加盟国大使、気候変動に対する野心的な行動の必要性を強調

EU、加盟国大使、気候変動に対する野心的な行動の必要性を強調

EU News 106/2015

2015/04/21
東京

4月21日、年内にパリで開催される気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)の重要性を訴える取り組みの一環として、駐日欧州連合(EU)代表部でセミナーが開催された。セミナーには欧州の大使6名が出席し、EUが世界的に率先して取り組んでいる気候変動対策について、また、EU加盟各国がどのように取り組んでいるかについて解説した。

基調講演でヴィオレル・イスティチョアイア=ブドゥラ駐日EU大使は、気候変動は人類が直面する最大の脅威の一つであり、2015年は、我々の地球の将来にとって決定的な年になると強調した。EUが2030年までに、温室効果ガスを1990年比で少なくとも40%削減し、域内の総エネルギー消費に対する再生可能エネルギーの割合を少なくとも27%まで増加させる、との目標を公表していることに触れつつ、イスティチョアイア=ブドゥラ大使は、欧州は、気候行動が環境にとって良いばかりでなく、経済的にも可能であり、新たなビジネス機会の起爆剤となると確信しているとし、以下のように力説した。

「我々が掲げた2030年に向けた新しいEUの気候・エネルギー枠組みにおける大望は、我々自身の経済的関心事である」

同時に大使は、アジアで唯一の主要7カ国首脳会議(G7)のメンバーとしての政治的重要性と、世界3位の経済国であることを想起し、新たな国際的な気候合意に向けた交渉において、日本が他国の範例となるよう呼びかけた。さらに、日本が直面しているエネルギー問題の困難さを認識しつつ、日本の産業がグリーン技術の開発において世界のリーダーになる潜在性を持つことを認め、日本の新たな野心を求めた。

大使は、「EUと同様、日本は国際的な気候変動交渉において、強いリーダーシップを持って臨む必要がある。気候・エネルギー政策がもたらす、雇用やイノベーションの創出といった経済機会を見過ごすべきではない。これは『アベノミクス』の第4の矢になり得る」と加えた。

セミナーでは、ハンス・カール・フォン・ヴェアテルン駐日ドイツ連邦共和国大使、A.カーステン・ダムスゴー駐日デンマーク大使、ティエリー・ダナ駐日フランス大使、マグヌス・ローバック駐日スウェーデン大使およびティム・ヒッチンズ駐日英国大使が、自国での気候変動政策の実施状況について述べた。続いて行われた第2部では、日産自動車株式会社、株式会社リコー、ユニリーバ・ジャパンおよびシェル・オランダの代表者が、それぞれの企業が気候変動対策を新規のビジネス機会としてどのように捉えているかを説明した。

本セミナーは駐日EU代表部と駐日EU加盟国大使館の共催で行われた。

『EU MAG』の関連記事
気候変動枠組みーーパリ会議での合意を目指して 2015年1月号ニュースの背景

Photos by MS, EU, 2015 URL