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真の経済通貨同盟に向けて

EU News 621/2012

2012/12/05
ヘルマン・ヴァンロンプイ欧州理事会議長
本文は以下の者との緊密な協力によって取りまとめられた。
ジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員会委員長
ジャン=クロード・ユンカー・ユーログループ議長
マリオ・ドラギ欧州中央銀行総裁

<日本語仮抄訳>

2012年6月の欧州理事会において、参加者は議長に対し、「欧州委員会委員長、ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)議長および欧州中央銀行(ECB)総裁と緊密に協力し、真の経済通貨同盟の達成に向けた具体的な行程表を策定する」よう求めた。中間報告書および2012年10月の欧州理事会の結論を土台としてまとめられた本報告書は、2012年12月の欧州理事会に提出される行程表の背景を提供している。本報告書には、6月の欧州理事会に提示された「真の経済通貨同盟に向けて」と題された報告書が示した、経済通貨同盟(EMU)の完成に向けたすべての重要な構築要素が含まれる時期と段階が提案されている。2012年11月28日に欧州委員会が発表した「深くかつ真のEMUに向けた青写真――汎欧州的議論の開始」と題されたコミュニケーション(政策文書)に含まれる有益な内容を盛り込んでいる。欧州議会も貴重な貢献を行った。欧州理事会が求めたとおり、本報告書はEMUの適切な財政能力を含む、統合された予算編成枠組みに関する仕組みや、ユーロ圏加盟国が、取り組むことを約束する改革およびその実施について、欧州連合(EU)の諸機関と契約を結ぶという考えが含まれている。

欧州連合条約の下、EUはユーロを通貨とするEMUを設立した。この報告書に書かれた意見はユーロ圏加盟国に焦点を当てている。なぜならば、1つの通貨を共有する彼らは、具体的な課題に直面しているからである。深化したEMUに向けた取り組みは、開放性と透明性を伴うべきであり、すべての観点から単一市場との両立が成り立たなければならない。

本報告書は、EMUの安定と一体性を守るための行動を提示しており、提案された行程表に対する政治的な確約を求めている。行動の緊急性は、ユーロ圏およびその個別加盟国が現在直面する国内的・対外的課題の深刻さに起因する。

ユーロ圏加盟国がEMUの恩恵を完全に享受できるよう、ユーロ圏には、しっかりとした国内政策を確保するためにより強力なメカニズムが必要だ。これは、欧州および各国の政策効果に対する信用の確保、経済や銀行制度の安定などの重要な公的機能の実現、不健全な経済・財政政策の結果からの市民の保護および高いレベルの成長と社会保障の確保といったことを確実にするに不可欠である。

ユーロ圏は、大きな新興国の台頭に特徴づけられる、進化の激しい国際的環境と対峙せざるを得ない。より耐性のある、統合されたEMUは、ユーロ圏各国を対外的経済ショックから守り、社会的結束という欧州のモデルを温存し、欧州の国際的影響力を維持させよう。

つまり、これらの課題は、真のEMUに向けた行程表に対する確約と実施を避けて通れないものにしている。「より統合された欧州」はそれ自体が目標ではなく、むしろ欧州の市民に奉仕するための手段であり、彼らのさらなる繁栄をもたらすものである。

EMUの耐性を確保するために必要な行動は、段階を追う形でここに提示されている。時間的区切りにとらわれることなく、すべての政策提案は真の経済通貨統合に向けた道筋の要素として考えられている。構成要素間には強い関連性があるため、それらは相互に補強し合う包括的パッケージとして検証されるべきである。統合された金融枠組みの創設は財政や経済に重要な影響を与えるため、単独のものとして考えられるべきではない。同様に、財政・経済分野で提示された提案も緊密に繋がっている。また、すべての提案はより深化した統合を示唆するため、真の経済通貨同盟には民主的正当性と説明責任が不可欠である。

原文はこちらをご覧下さい(英語)。
http://www.consilium.europa.eu/uedocs/cms_data/docs/pressdata/en/ec/134069.pdf