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EU、2012年ノーベル平和賞を受賞

EU News 493/2012

2012/10/12

ノルウェーのノーベル委員会は、2012年のノーベル平和賞を欧州連合(EU)に授与することを決めた。EUとその前身組織は、60年以上にわたり、欧州の平和と和解、民主主義や人権の推進に貢献してきた。

キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、以下の声明を発表した。

「EUが、欧州全域において和解、民主主義、人権の進展、そして平和と安定の領域の拡大に寄与してきた功績を認められ、2012年のノーベル平和賞を授与されたことを大変うれしく思う。

EUにおいては、歴史上敵対してきた国々が緊密なパートナーとなり、友好関係で結ばれるようになった。

こうした取り組みの継続に関与できることを誇りに思う。欧州対外行動庁(EEAS)が創設されたことにより、我々は欧州の中核を成す価値をより効果的に世界中に広めていくための包括的な取り組みを展開して行けるようになった。

私は、このプロセスを推進していくために、今後も不断の努力を重ねて行く所存だ」

また、ヴァンロンプイ欧州理事会常任議長とバローゾ欧州委員会委員長は共同声明で、「そもそもEUは、この大陸で始まった複数の世界大戦により荒廃した国々が、復興する過程において手を結び、平和のための大事業に向けて団結したことにより発足した。それからの60年、EUは、人間の尊厳の尊重、自由、民主主義、平等、法の支配、人権の尊重という価値を軸にして、冷戦で分裂した大陸の再統合を成し遂げた」と述べた。

国連の藩基文事務総長は、EUと国連の協力関係に触れ、EUが世界中で果たしてきた平和構築、人権の推進、経済・社会発展の支援における役割を強調しつつ、平和賞受賞に際して祝意を表明した。

事務総長は声明で、「本日、国連にとって欠くことのできないパートナーが、その功績および欧州や世界全体におけるその重要性を相応に認められた」と述べている。

米国のヒラリー・クリントン国務長官もまた、平和賞受賞はEUの統合に向けた懸命な努力を反映したものとして、祝いの言葉を伝えた。

国務長官は、「ノーベル平和賞を受賞したEUに祝意を表したい。21世紀における欧州がいかに統一され、平和であるかを考えると実に見事である。これは偶然の産物ではなく、欧州全域の指導者や市民が懸命にかつ献身的に努力した結果である」と述べた。

両大戦間の時期、ノルウェー・ノーベル委員会は独仏の和解を目指した人物に何度か賞を授与している。1945年以降、和解は現実となった。第2次世界大戦がもたらした恐ろしい苦しみは新しい欧州が必要であることを明確にした。かつては70年の期間に3度も戦争をしていたドイツとフランスだが、現在両者が互いに戦争をすることは考えられない。狙いを定めた取り組みと相互の信頼構築により、歴史上敵対していた国も近しいパートナーになりうることを証明している。

1980年代にはギリシャ、スペイン、ポルトガルがEUに加盟した。加盟の条件として、これらの国は民主主義を導入した。ベルリンの壁が崩壊したことにより、複数の中東欧諸国のEU加盟が可能になり、欧州の歴史に新しい時代を切り開いた。東西の分断は概ね解消され、民主主義は強化された。民族問題に端を発する国家間の紛争の多くが解決された。

クロアチアが来年加盟すること、そして、モンテネグロとの加盟交渉が開始され、セルビアに加盟候補国の地位が付与されたことは何れもバルカン半島における和解のプロセスを強化するものである。また、過去10年の間、トルコのEU加盟の可能性が検討されてきたことも、同国における民主主義と人権の推進につながった。

EUは現在、深刻な経済問題と相当な社会不安を経験している。ノルウェー・ノーベル委員会は、EUの最も重要な功績、すなわち、平和と和解、そして、民主主義と人権を求める努力の成功に焦点を当てている。EUが果たしている安定化に向けた役割は、欧州の大部分を戦争の大陸から平和の大陸へと変えるのに役立った。

「国家間の友愛」を象徴するEUの取り組みは、アルフレッド・ノーベルが1895年の遺言で平和賞の指針として掲げている「平和会議」に値すると言える。 

原文はこちらをご覧下さい(英語)。
http://eeas.europa.eu/top_stories/2012/121012_eu_nobel_peace_prize_en.htm

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