ホームニュース・出版物ニュース2012> 原子力安全に関するアドホックグループ報告書

原子力安全に関するアドホックグループ報告書

EU News 234/2012

2012/06/06
欧州連合理事会
ブリュッセル
10845/12
PRESSE 244

<日本語仮抄訳>

欧州連合(EU)理事会の常駐代表委員会(Coreper)は本日、原子力安全に関するアドホックグループ(AHGNS)の最終報告書に目を通した(10616/12)。

2011年3月に日本の福島県で発生した原子力発電所の事故は、原子力安全・保安問題をEUの最重要課題とするきっかけとなり、一連の会合および動きにつながった。3月24日~25日の欧州理事会(EU首脳会議)の結論(10/1/11、第31段)では、EUにおける全原発の安全性を、包括的で透明性のあるリスク評価と安全性評価に基づいて見直すべきだとしている。

報告書には、国家安全保障枠組み、設計基礎脅威(DBT)、原子力安全文化および不測の事態に対応するための緊急対策の立案の分野における32のグッドプラクティス(良好事例)を特定している。これに加え、報告書は、原発の安全保障は各加盟国の責任であることに留意しつつ、同報告書の主要な結論に基づいて導き出された次の提案を提示している。

  • 核物質の防護に関する条約(核物質防護条約=CPPNM)の2005年の改正の批准書、受諾書等の寄託を可能にする国内手続きをいまだ完了していないすべてのEU加盟国に対し、出来る限り早期にこれを行うよう勧告する。これはまた、近隣諸国に模範を示し、改正条約の発効を早めることにもなる。
  • 各加盟国の国内慣行において、国際原子力機関(IAEA)のサービスの活用、および同機関の出版物であるIAEA安全基準シリーズの活用と実施を促す。
  • 原発を有するすべてのEU加盟国において、IAEAの国際核物質防護諮問サービス(IPPAS)ミッションの定期的な活用を強く奨励する。サイバー脅威に関連した安全保障問題はこうしたミッションに含まれるべきである。IPPASミッションを受け入れるEU加盟国は、他の国に対し、同様の行動を促す重要なメッセージを発信する。
  • IAEAがこれまでの各種IPPASミッションを通じて特定できたベストプラクティスを、機密保持義務に十分留意しつつ、国際レベルで共有するよう奨励する。こうしたベストプラクティスの実施もまた促すべきである。
  • EU加盟国間およびEU加盟国と近隣諸国との間の定期的な協力を推進する。原発事故が、その性質からして国境を越えた影響力を持つことことは、各国間の緊密な協力と情報交換を進める強力な動機付けとなる。
  • EUの化学・生物学・放射性・原子力物質(CBRN)行動計画のアクションRN.19とも一致する形で、EU加盟国間で原子力安全保障に関する取り組みを継続して行う。AHGNSは、EUレベルで既に存在しているさまざまなグループの枠組みを活用して、原子力安全保障に関する適切な情報交換を含めたEU加盟国間協力の継続は、価値のあることだと確信している。欧州原子力安全規制機関連合(European Nuclear Security Regulators Association)は、原子力安全保障を強化する上で重要な組織と見なされている。AHGNSは、同連合に、全EU加盟国および近隣諸国の原子力規制機関を受け入れるよう要請する。

報告書は、6月の欧州理事会に提出される。

原文はこちらをご覧下さい(英語)。

http://www.consilium.europa.eu/uedocs/cms_data/docs/pressdata/en/trans/130647.pdf