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国際ホロコースト記念日に寄せたモゲリーニEU上級代表の声明

EU News 27/2016

2016/01/27
ブリュッセル

<日本語仮訳>

フェデリカ・モゲリーニ欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は本日、以下の声明を発表した。

「ユダヤ人大虐殺が欧州全域に残した傷、永久に消すことのできない傷は、我々が共有する記憶の中に永遠に焼き付けられている。またそうでなければならない。『ホロコーストを忘れることは二度殺すことだ』と、エリー・ウィーゼルが語っているように。

時が経過する中、ユダヤ人大虐殺を記憶し、その犠牲者を悼むこと、そして、その記憶を生かし続けるために、不断の努力を続けている生存者の支援を継続することの責任を、我々皆が負っている。

これは、ユダヤ人に対する責任であるのみならず、人類に、次世代に、そして欧州そのものに対する責任である。我々の大陸におけるこの暗い歴史を忘れることは、平和と統合と多様性を維持することの重要性を、見くびる危険を犯すことだ。

ユダヤ人大虐殺から70年以上が過ぎた今も、『文明化した』EUにおいて、反ユダヤ主義が存在していること、今の時代をより良くするための道を模索する代わりに、多様性を恐れ、困難が生じた時にはスケープゴートをつい探したくなることを、我々は正直に認めなければならない。

今の世代と将来の世代が、ホロコーストの根源を自覚することが、我々が確実に果たさなければならない任務である。悪を理解し、それがいかにして、あれほど簡単に我々の社会に入り込んだかを知ることが、その再燃を防ぐ第一歩である。

我々は、EU市民として、またEUの機関として、実に多くの欧州のユダヤ人が抱く恐怖や懸念を、共有している。我々の国々は、然るべき安全対策を強化しているが、それは、まず何よりも、反ユダヤ主義と信仰や民族に基づくあらゆる種類の差別に対抗する、心の戦いである。

ユダヤ人大虐殺を記念するにあたり、恐怖と当時のイデオロギーに屈しなかった全ての『正義の人』に、敬意を表する。彼らの行動により、多くの命が救われたのみならず、人間愛が不滅であるという希望が失われずに済んだのである。

それを、今の困難な時代に教訓として生かし、悪の記憶とともに、人間愛の心を次世代に引き継いでいくことが、我々に求められている」

原文はこちらをご覧下さい(英語)。
http://eeas.europa.eu/statements-eeas/2016/160127_01_en.htm